追憶のツインソウル~死別を生きる~

最愛の人との死別から三年後不思議な出会いがありました。その人は愛する彼女を十六年守り切って見送った人。死別経験が人生の分岐点になってからの想い、綴っていきます

「人生楽しい!と言うような、貧しい人生は送っていない」

さっき、私の兄さんからこんなlineが送られてきました。

兄さん、と書いてアニさんと呼びます。

実の兄では全くありません。

ふとした繋がりで知り合った会社経営をなさってらっしゃる方。

億越えの収入と複数の会社を持ってるのに、全く物欲のない、私利私欲のない不思議な方です。

くたびれたスーツ、くたびれた靴、くたびれた鞄。

ボロボロになってから、さすがに買わんといかんなと秘書さんに適当に頼んで買ってきて貰うほど、物に無頓着。

こういう人がパーティーで数百人の前であがらず慌てず立派なスピーチをするんですもの・・兄さん、仙人みたいですと伝えました。

だからこそ底辺の階層でウロチョロ生きている私と何とはなしにウマが合うのでしょうけど・・

人の為に生きている方。飾らず気取らず、勇気と気概を味方にして。

人の為と書いて偽り。

この言葉って・・人の為おまえの為言う奴には騙されやすいからな、信用するかどうか見極めたいときの参考にするには分かりやすい言葉だろ?って意味でもあるのかなと感じています。

兄さんは、死別の私にとても理解を示してくださいました。

人を深く思う洞察力に感極まるときがあります。

「その経験が今のおまえを作ったんだな」

辛かろう悲しかろうの気遣いより、とても深い思いやり。

お洒落なスポットを傍目に見て通り過ぎ、今日もひたすら仕事の為に街を颯爽と歩いている兄さん。

欲に囚われて後の祭りになる人生は石ころみたいにそこかしこに転がっている。

人生も楽しみ方も百通り千通り。

行き遅れ終わってしまった祭り会場に赴き、その祭りの余韻で一人楽しんで酒を飲んでいる人と談笑したりするのも、なかなかオツなものかもしれません。